足利の家

DATA

 

「第35回栃木県マロニエ建築賞優秀賞」受賞

敷地は栃木県足利市の閑静な住宅街にある。
近くには日本最古の学校である足利学校や、名所鑁阿寺があり、歴史的な面影が残る素敵なエリアである。
家族構成は夫婦と男の子2人(現在は男の子3人)。
要望されたのは、窓から家の灯り(ペンダントライト)が見える北欧の田舎家のような家。
プログラムとしてはフィンユール邸のような玄関、それに続くファミリーエントランス+クローゼット、家族がくつろげる吹抜けのあるリビング、季節のものを飾れるキャビネット、光が入る明るいキッチン(+パントリー3帖程度)、食事ができるカウンターテーブル、キッチンとつながるテラス、キッチンから目が届くキッズスペース、仕事と仮眠用の夫の書斎、趣味の手芸や書類が納められる妻の書斎、主寝室とテラス、将来2室に分けられる子供室、ギャラリーのようなゲストルーム。子供が思いっきり駆け回れる庭、園芸が楽しめる庭、部屋の各所から眺められる樹木。
1階のプランはぐるっと回遊できるようになっている。エントランスから直接LDKに入る動線とエントランス→シューズクローゼット→ウォークスルークローゼット→ダイニングへと続くファミリー動線がある。建物の中心には吹抜けのあるリビングを設け、ダイニングやキッチンなどを通して庭とつながるようにした。それぞれの場所が庭と密接な関係を持ちながら全体としてはひと繋がりになっている。また2階も上下階を繋ぐ階段によって緩やかにつながるデザインとした。階段部分の腰壁はチークの板を張り、白い珪藻土塗の空間と対比を持たせた。2階の個室群では、吹抜け空間と関連付けるために、入口の開口の幅を大きくし、場所毎に壁にアクセントカラーや板張りなどを施して居場所の個性をより楽しめるようにした。
建物全体としては田舎家のようなおおらかな屋根を掛け、道路側と北側を低く、奥に向かって徐々に高くなるようにした。それぞれの居場所がコンパクトでありつつ、全体とつながることで、程よい大きさと高さの空間になるようにした。

所在地:栃木県足利市元学町

敷地面積:395.74㎡

建築面積:172.29㎡

延床面積:222.73㎡

主要構造:木造軸組在来工法 環境パイル工法/スギ69本、L=8m

規模:地上2階

施工:オムニバス

写真:上田 宏

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