クルマと建築の共通点は何か?、問われれば、どちらも自分の身を包む環境となりえるということででしょうか。クルマに乗り込みドアを閉めれば車内が自分だけの居場所・移動空間となり、家の玄関扉を閉めれば家族との生活共生空間となります。クルマ好きの人にとってはどちらも大切な空間であり、そこでの楽しみ方も千差万別です。その多様性のあるクルマと建築の雰囲気づくり、そして密接な関係性を構築できるように設計では心掛けています。

また個性あるクルマを所有するひとの多くは、生活空間から自分のクルマを眺めたり、ガレージでクルマに寄り添ってその時間を楽しんだりします。ひとたびエンジンをかければ精密機械的なエンジン音を楽しんだり、皮張りのシートの濃厚な香りを感じながら、微妙なエンジン振動を身体で感じるなど、五感に訴えかけてくる瞬間を楽しむことを喜びとしています。

そしてクルマを通じて多くのひとたちとの素敵な出会いがあります。その出会いを大切にしながら、自分の家を作りたい方ともクルマ談義を交えながら、設計の打合せを楽しみながら進めていくことも大切です。また工事に着手すれば、その空間ができていくプロセスや高揚感を感じることができます。いつもクルマとの共生を楽しめる建築づくりができていけばいいなあ、と思いつつ設計を丁寧に手掛けています。

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