浜松山手の家

DATA

敷地は浜松駅から西方に車で10分程行った高台にある。周辺の地形は南東方向へ傾斜しており、その先に浜松の街や浜松城が遠望できる。

敷地の南側は3階建てのマンションが建っており、マンションの外廊下からの視線はできる限りカットしなければならなかった。また、西側の斜面には敷地内の竹林が広がっていて、竹林と繋がったゆったりとした空間を創ることが期待された。北側は2m程高くなっていて母屋が建っている。そこからの眺望をスポイルしないように配慮する必要もあった。そこで、南側はマンションからの視線をカットするためにある程度クローズさせ、西側の竹林と南東に広がる景色に対して大きな開口部を設けることとした。竹林に対しては2階レベルに開口部を設けることで、幹の程良い部分で内部空間と繋がるようにした。1階では敷地の持っている良さを利用し、アプローチの際ピロティ越しに竹林がダイナミックに抜けて見えるようにした。また、階段やトイレ等をコアとして建物の中心に配置し、そこから3方向に空間が広がる平面構成とした。それにより3つのスペースが距離を持って配置され、内部空間に広がりを与えることになる。それぞれのスペースは引戸を開けることで一体として繋がることもできるし、閉めれば独立した部屋にもなる。開けた時もカーブを描く壁によって程よく目隠しされるように意図した。結果的に完成した形がグランドピアノ(浜松は楽器の街としても有名である)や、富士山などを訪れる人に連想させるという話は興味深い。

所在地 :静岡県浜松市

敷地面積:387.55 m2

建築面積:118.42 m2

延床面積:193.13 m2

主要構造:木造

規模  :地上2階

施工  :杉浦組

写真  :上田宏

 

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